読書日記 2009年

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岡潔 高瀬正仁 岩波新書 ★☆☆☆☆

岡潔(1901~1978)は、『春宵十話』などの随筆で有名な「数学の詩人」である。
本書は、岩波新書だけに一見格調が高いが、あまりにも些末な事柄が羅列してあって、つまらない。岡潔がかなりの変人だったことは分かったが、その人となりはあまり伝わってこなかった。
岡潔の専門は、多変数函数論という。「ハルトークスの逆問題」「上空移行の原理」「岡の原理」などの奇妙な用語が執拗に出てくるのだが、その数学的内容についての解説はない。従って、どこがどのように素晴らしいのかを感じることもできなかった。
これなら、最初から『春宵十話』を読むべきだった。(09/03/15 読了)

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