読書日記 2010年

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脳のなかの匂い地図 森憲作 PHPサイエンス・ワールド新書 ★★☆☆☆

脳の解剖学的・組織学的な専門用語がワンサカ出てきて、誠にわかりにくい。実際の嗅覚体験が脳の働きで説明されると面白いのだが、嗅覚は視覚と違って刺激を直接呈示することができないので、興味深い話題を提供するのは容易ではない。

ヒトの視覚を理解するためには、実験動物としてサルを用いる。一方、嗅覚系の神経科学ではマウスやラットを使うことができるので、脳の一部を除去して行動を観察するなど、より直接的な実験ができる。嗅覚系を研究を通じて、情動や意欲といった扱いにくい問題にもアプローチできるようになりつつある。(10/04/28読了)

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