読書日記 2010年

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フランス歳時記 鹿島茂 中公新書 ★★☆☆☆

フランスには、というか、ヨーロッパのカトリック文化圏には、1年365日それぞれの日に「守護聖人」なるものがいるらしい。守護聖人はそれぞれの守護分野をもっていて、エンブレムも定められている。
ちなみに、私の誕生日である6月11日の守護聖人は、聖バルナベ(Saint Barnabas)という地味な人らしい。オリーブの枝がエンブレムで、樽職人やワイン職人を守護する。極めてどうでもいい情報だ。

こういうのは文化の深いところを規定していて、ちょっとやそっとフランスを旅したくらいでは見えてこない。それだけに、日本人には馴染みがなさ過ぎて、あまり印象にも残らない。

ミッキーマウスの「ミッキー」はMichael(マイケル)の愛称で、アイルランド人に多い名前だが、これはアメリカに移住してきたアイルランド系移民に対する蔑称だった。ディズニー自身も、貧しいアイルランド系移民である。一方、ドナルドはスコットランド人に多い名前で、だからミッキーとドナルドは、アングロサクソン系のプロテスタントに対するケルト=カトリック連合である。こういうトリビアは面白い。
ちなみに、「マクドナルド」のMacはゲール語で「息子」を意味する。かつてスコットランド人には名字がなく、「Donaldの息子」「Kintoshの息子」という意味でMacDonald、MacKintoshと名乗っていたのが、姓として使われるようになったらしい。(10/07/30読了)

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