2002年 30冊

(★〜★★★はお薦め度

「ニューヨーク散歩〜街道をゆく39〜」 司馬遼太郎 朝日文庫 ★★
    毎度のことながら、ニューヨーク「散歩」といいながら実際にはほとんど散歩していない。筆者が訪れるのは、マンハッタン島北端、ブルックリン、コロンビア大学といった程度である。そこから、現実の著者の体験とは無関係に、唐人お吉の伝説で有名なハリス(そういえば下田でそんな話を聞いたっけ)、あるいはコロンビア大学の日本学教授、ドナルド・キーン氏の話などが展開されてゆく。それがこのシリーズのいい所なんだけど、思えば不思議な紀行文だ。最後に著者は大西洋を見に行くのだが、何だか私も久しぶりに海が見たくなった。ひとつロング・アイランドにでも行ってみるとするか。('02.12.22)
「Maya - for Travelers and Students」 Gary Bevington University of Texas Press ★★
    期せずして、初めて通読した英語の本はこんなにマニアックな本だった(教科書は除く─これも一応教科書ではあるが)。読み物としてもまぁ面白くて、要するに先住民の社会は独特だということだ。マヤ語についての解説はこちら。('02.12.14)
「アメリカ黒人の歴史」 本田創造 岩波新書 ★★☆
    アメリカ黒人の歴史は、アメリカの負の歴史である。南部綿花王国が瓦解して黒人が自由を獲得してから、平等を獲得するまでには更に100年もの歳月が必要だった。警官も助けてくれない状況で、300人もの白人至上主義者に囲まれてリンチされてもひたすら無抵抗を貫く。そこまでしないと、歴史は動かなかったのだ。現状は遙かに改善されているように見えるが、この微妙な問題が一体どこまで精算されているのか、これから少しずつ探っていきたいと思う。('02.11.23)
「0歳児がことばを獲得するとき」 正高信男 中公新書 ★☆
    この本はさほど面白くない。この著者のバックグラウンドは霊長類学である。なるほど赤ちゃんというのは我々から見れば別の世界の住人であり、その生態を動物行動学のノウハウを活かして研究するというのは新しいかもしれない。しかし、いかんせん結果に意外性がないのだ。赤ちゃんに向かって話しかけるときに自然と声が高くなってしまうなんてことは、わざわざ調べなくたって誰でも知っていることじゃないか。まぁ、「餅をのどに詰まらせて死ぬとはどういうことか」など、雑学的にオイシイ部分はあったけど。('02.11.9)
「ニューヨーク」 亀井俊介 岩波新書 ★★☆
    アメリカの大都市なんて一つも興味がなかったのだが、この本を読んで大いに考えが変わった。アメリカの歴史なんて取るに足らないものと思ってバカにしてたけど、劇場、新聞、摩天楼といった20世紀的な大衆文化に注目してみれば、ここニューヨークは世界への発信源だったのだ。

    ニューヨークの街は南から北へと発展していった。マンハッタン島の南端にあるウォール街は、まだここがニューアムステルダムとよばれていた頃、オランダ人がイギリス人の攻撃を避けるためにここに防壁(ウォール)を築いたことに由来している。つまり、ニューヨークはウォール街の南側の僅かな領域から出発したわけだ。マンハッタン島の北半分は、都市計画に基づいて開発されたため無機的な格子模様になっているが、その中をブロードウェイだけがうねりながら斜めに延びている。それはなぜかというと、この道は開発以前から存在していたからだ。これは、先住民の踏み跡(トレイル)だったのである。

    どんなガイドブックよりも詳しいけれど、著者の深遠な思想などどこにもなくて、これはやっぱり観光ガイドなのだ。今度ニューヨークに行ったら、マンハッタン島を南から、歴史を辿りながら歩いてみようと思う。('02.10.27)

「チンパンジーの心」 松沢哲郎 岩波現代文庫 ★★☆
    野生チンパンジーの観察から実験室での比較認知科学的研究、チンパンジーの保護活動に至るまで、チンパンジー学を丸ごと紹介した好著。著者はアイちゃんに言葉を教えたことで有名だけど、この本の内容全てに著者が関わっているのだから、そのアクティビティーの高さには脱帽する。

    特に面白いのは、第3章「認識の発達をくらべる」である。例えば、チンパンジーに紙と鉛筆を与えると、お絵描きを始める。積み木を与えると、何も教えていなくても、ちゃんと角を揃えて高く積もうとする。同じことをニホンザルにさせようとしても、少し囓ってみて食べられないと分かるとあとは見向きもしない。だから、まぁ実際そうなのだが、チンパンジーはサルよりヒトに近いというわけだ。その他、まだ寝返りのうてない赤ちゃんは顔にかけられたハンカチを取り去ることができないとか、「つかむ」から「つまむ」への発達とか、「入れ分け」のパターンの変化とか、(ヒトの)赤ちゃんの認識の発達というのも私にとっては非常に興味深い話題である。なんせ、今は目の前に格好の実験材料がいるからねぇ(現在5ヶ月)。

    第4章「言葉を覚えたチンパンジー」は本書のメインであるが、色んなところで何度か読んだり聞いたりしたことがある。チンパンジーの色彩の命名の話は面白いが、それ以前に、基本語に含まれる色彩が人類で普遍的だというのは興味深い。例えば、シアンやマゼンタのような微妙な色を基本色だと思い、赤や青をその混色とみなすような言語は存在しなさそうなところを見ると、色彩の認識もgenomicに規定されているということだろうか。

    ネアンデルタール人(ヒトとは異なる種である)が死滅せずに今日まで生き長らえていたら、さぞかし楽しいことになっていたに違いない。('02.10.12)

「ソロモンの指環」 Konrad Z. Lorenz ハヤカワ文庫 ★★★
    「刷り込み」の発見で有名なコンラート・ローレンツ博士による、動物たちとの心温まるエピソード集。彼は家の中で鳥や魚や動物たちと一緒に生活しながら、動物行動学という学問を創った。そのため彼は周囲からは変人と見なされていたようである。今生態学といえば、野山に分け入って野生のままの生き物を観察する学問だから、だいぶ時代は変わったわけだ。

    旧約聖書に出てくるソロモン王は、魔法の指環をはめてけものや鳥や魚と語ったという。コンラート・ローレンツは、そんなものはなくてもハイイロガン語やコクマルガラス語を操ることができたのだから、ソロモンより賢かったという訳か。それにしても、人間がこんなにも鳥と心を通わせることができるというのは驚きであり、感動的でもある。この本も歴史に残る名著の一つといえるだろう。('02.9.28)

「暗号攻防史」 Rudolf Kippenhahn 文春文庫 ★★
    第二次大戦は暗号戦でもあった。その解読の過程からコンピューターが発明され、コンピューターの出現により、「公開鍵暗号」という本質的に解けない暗号が考え出されたわけだ。日本軍のパープルは解読されてしまったが、日本語の場合、ローマ字に変換したりしない方が難しい暗号になるのではないだろうか?

    日本語に飢えないように大量の本を空輸しておいたのだが、これがアメリカ亡命(留学ともいう)後に読んだ第1号。('02.9.14)

「二重らせんの私」 柳澤桂子 ハヤカワ文庫 ★★☆
    研究する人生って、こんなにも楽しくて順調なものだったっけ?不幸にして著者は病に倒れてしまい、研究生活の全てが美しい思い出として結晶化してしまったのだろう。ただ、この本の舞台である1960年代は、生物学にとって興奮に満ちた黄金時代であったことは間違いない。

    筆者はいう。「お金がからんできたために、生命科学の様相は一変してしまった。あのコロンビア大学の教授たちのもっていた、豊かな水をたたえた大河のような雰囲気は失われた。研究者は手に手にDNAの入った試験管をもって、何かに追い立てられるように全速力で走りだした。いったいどこへいこうというのであろうか。
     知の女神、アルマ・アターの足元にひれ伏して、自然の驚異の一端について教えを乞うという姿勢は失われた。人間は自然を自分のしもべとしてかしずかせ、それをお金儲けに利用しようとしているのである。」('02.8.18)

「困ります、ファインマンさん」 Richard P. Feynman, Ralph Leighton 岩波現代文庫 ★★
    もう70才近いファインマンさんが、スペースシャトル・チャレンジャー号の事故調査委員として孤軍奮闘する様は痛快だが、お役人がしょーもない存在であるのはアメリカでも一緒ということか。('02.8.9)
「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)(下)」 Richard P. Feynman with Ralph Leighton 岩波現代文庫 ★★★
    この本は、物理学を志す若者にとってのバイブルである。だから逆に、私は意図的にこの本を遠ざけてきたのかも知れない。院試前に英語版を読んだことがあるが、最後まで到達する前に院試当日を迎えてしまい、それっきりになっていた。物理学の呪縛から逃れた今改めて読んでみると、やはり面白い本だった(ちなみに、アメリカ滞在中に読んだ)。

    20代前半にしてマンハッタン計画で原爆の製造に荷担。本職の物理学以外でも、絵を習わせれば個展を開くほどの腕前にまで上達し、プロのダンサーの伴奏者としてドラムをたたき、マヤの象形文字を解読するというあんばいで、一人の人間が、こんなに密度の濃い人生を生きられるものかと驚嘆する。

    ただこの本、どうも話がうまく出来過ぎている気がしないでもない。例えば、日本人のそろばん売りが3乗根の問題を出題するのに、でたらめに選んだ数字が"1729.03"だったというのはとても考えられないことだ。そう思って、「困ります、ファインマンさん」の立花隆による解説を読んでみると、なるほど「ノーベル賞受賞者の自伝」というのはウソで(岩波現代文庫版ではこの文字は消されている)、Feynmanが面白おかしく喋った小話をLeightonがまとめたものだった。だから実際には、誇張(ホラ)も含まれているのだろうと思う。('02.7.30)

「木炭日和 〜'99年版ベスト・エッセイ集〜」 日本エッセイスト・クラブ編 文春文庫 ★☆
    さほど印象に残る作品はなかったが、一つ一つが短いので気楽に読めるのがいい。('02.7.24)
「キッチン」 吉本ばなな 角川文庫 ★★☆
    七夕の夜、独りぼっちのアナタに贈る、不朽の恋愛小説。青春だなぁ。この期に及んでこういうのも新鮮で良い。心が洗われるようだ・・・。

    夏になると、「名作」と呼ばれる小説を読んでみたくなるのはなぜだろう?('02.7.11)

「ひとが否定されないルール」 日木流奈 講談社 ★★☆
    12歳の脳障害児が書いたという、ちょっと流行りの本。一切の社会的なストレスから解放されて、ひたすら適切に教育されれば、12歳でもこういう境地に到ることができるのだろう。

    ひとが否定されないルールとは、決して評価しないこと、強制しないこと。ただ自分と他人とは違うのだということを受け入れ、対話をすること。まったく、宗教書を読んでいるみたいだった。('02.7.10)

「南イタリアへ!」 陣内秀信 講談社現代新書 ★★
    子供ができたり、イタリアに行ったりしてupdateをさぼっているうちにすっかり時が過ぎてしまった。イタリアに行く前、何てタイムリーな本だろうと思いつつそれなりに楽しんで読んだのだが、実際に訪れた南イタリアは信じられないほど暑く、ただ存在しているだけで次第に衰弱していくような土地だった。午後8時過ぎの遅い夕暮れ、石灰岩の不毛の大地・バジリカータ州をのんびりと走るローカル線の車窓から、黄金色に輝く一面のすすきの原を眺めた一瞬にかすかな旅情を感じたに過ぎなかった。('02.7.10)
「史上最大の発明 アルゴリズム」 David Berlinski 早川書房
    ナンなんだこの本は?奇書である。「現代社会を造りあげた根本原理」という副題がついていて、アルゴリズムを微積分とならぶ数学上の最大発見(発明なのか?)とする著者の見方はちょっと面白いと思ったのだが・・・。前半は、昔の論理学のノートを繙いてみて、ゲーデルの不完全性定理が初めて分かったような気がしたりして結構楽しかった(でもこの本の説明では決して分からない)。結局、論理学に関する記述の必要性も今ひとつピンとこないし、構造的に意味不明である。('02.4.21)
「はじめてのイタリア語」 郡史郎 講談社現代新書 ★★
    イタリアに行くことになったので、イタリア語の勉強を開始(リンガフォン CiaoCiao 初級イタリア語←これもお薦め!)。今までロシア語、フランス語、中国(北京)語、韓国語、アラビア語、チベット語など数々の言語に手を出してきたが、これっぽっちもモノにならず。そろそろ第2外国語をまともに操れるようになりたいものだ。だけどイタリア語は、今まで囓ってきた言語の中で一番容易に習得できそう(というか、唯一習得可能)に思える。

    この本はコンパクトにまとまっていて、言語のあらましを知るには良い。文法の知識はこの程度で充分だろう。cappuccino(カプチーノ)と日本語の合羽(かっぱ)は語源が同じ、などなど、読み物としても面白い。('02.4.20)
「日の名残り」 Kazuo Ishiguro 早川書房 ★★
    鼻につくイギリス「紳士」のお話が延々と続き、途中で何度も投げ出したくなる。しかし、全ては最後の美しい一章を引き出すための仕掛けだったのだ!この洗練された巧妙な構成といい、最終章に漂う一種日本的な情緒といい、外部の客観的な視点からしか描き得なかった新しい英文学なのかもしれない。('02.4.11)
「世界遺産・極める55」 世界遺産を旅する会 編 小学館文庫 ★☆
    こういうのを見ても、もはや何も感じなくなってしまった。意外性(発見)がほとんどないのだ・・・。まぁ、仕事の息抜きにはなるが。('02.3.3)
「私は赤ちゃん」 松田道雄 岩波新書 ★★
    この本は、実用的な育児書であるハズなのだが、何と1960年発行・66刷のロング・セラーである。従って、今どき電車で前に立っている中年のサラリーマン風の男がさかんにセキ込んだからといって、その人が結核であることはまずありえない。だけど、生活に密着しているだけに、逆に当時の風俗が分かって面白い。こういう本がこれだけ長く読まれ続けるというのも凄いことだ。('02.2.23)
「男だって子育て」 広岡守穂 岩波新書 ★★☆
    この本は、フェミニストが書いた育児書ではなくて、5人の子供の父親である政治学者が書いたエッセイである。「家事には農作業のようなところがある。それは心という大地をたがやすのだ」。どうも男というのは、哲学がないと生きていけないものらしい。('02.2.12)
「アメリカ感情旅行」 安岡章太郎 岩波新書 ★★☆
    筆者は、1960年という時期に、40歳という年齢で、北部と南部の境界付近の町・テネシー州ナッシュビルに留学する。1960年といえば、公民権運動が始まったばかりであり、まだ黒人は映画館に入ることもできなかった。ケネディが当選した歴史的な年でもある。

    実に滑稽なほど憂鬱な留学記であり、一体この人は何をしにアメリカくんだりまで行ったんだろうと思ってしまう。最後に、「彼等もわれわれと同じ人間なのだ」という当然過ぎる結論にやっと到達する。そのことがまさに、25歳で敗戦を迎えた男にとって、当時のアメリカに対する劣等感がいかに大きかったかを示している。それは現代の感覚からはとても想像しがたいものであり、貴重な記録だといえる。('02.2.11)

「物語 アメリカの歴史」 猿谷要 中公新書 ★★
    新大陸─南北アメリカ、オーストラリア─は、私の頭の中の白地図だった。あるいは意図的にそうしてきたのかもしれない。新大陸の歴史は、ただ悲しい─それは、白人による、先住民族虐殺の歴史に他ならない。

    19世紀の後半になるとアメリカは外部に膨張し始め、世界史的な意義をもつようになる。なぜか?アメリカ内部に、フロンティアが消滅したからである。言い換えると、組織的な抵抗が不可能なレベルにまで、先住民族は殺戮され尽くしたのだ。19世紀の終わり頃まで、アメリカの内部に先住民族の国家が存在していたことを知る人は少ないだろう(私も、この本を読むまで知らなかった)。いまやアメリカ国内の先住民族は人口の1%にも満たない。

    イギリス本国、先住民、黒人、日系人、日本、ソ連、ベトナム、イラク、そしてアフガニスタン。まことにこのアメリカという存在は、自ら敵を作りあげることによって持ちこたえてきたように見える。結束を保つためには、共通の敵をもたなければならないのだろうか?だが、こんなやり方がいつまで続けられるというのだ?('02.2.3)

「英語の感覚(上)(下)」 大津栄一郎 岩波新書
    「英語の感覚」というけれど、この本の内容の多くは、あの退屈な大学受験レベルの英文法の域を出ない。そもそも、およそ魅力的でない英語とかいう平凡な一言語をつかまえて、それを深く掘り下げることに何の意味があるんだろう。英文学の先生が受験問題を作るから、日本の英語教育はダメなんだと思ったりした。

    I like teaching English.とI like to teach English.の違いなど、ピンポイント的になるほどと思える箇所もあったのだが、全体を通読するのが億劫で、面白い部分が埋もれてしまっているのが残念。('02.1.27)

「落ちこぼれてエベレスト」 野口健 集英社 ★★☆
    この本を読んで思うのは、むしろ「冒険は死んだ」ということだ。「七大陸最高峰制覇」というけれど、コジアスコは言うまでもなく、モンブラン、キリマンジャロ、そしておそらくアコンカグアは素人でも登れる。ビンソン・マッシーフ、マッキンリー、そしてエヴェレストは難しいが、しかしカネさえ払えば登頂は可能なのだ(命の保証はあんまりんない)。そんな訳で、登山という行為は、宇宙旅行みたいなもので、もはや金持ちの道楽に成り下がってしまったようだ。

    そう。今更、シェルパの命を下敷きにしてヒマラヤの高峰に登ったところで、偉くも何ともないのだ。だからこそ、彼のやっている清掃登山は価値があるのだ。そのことに関しては、この本ではほとんど触れられていないが。

    “いつも背伸びをしていれば、いつかは背が伸びる”というラマルキズム的(?)なキャッチフレーズも私は好きだ。('02.1.26)

「インストール」 綿矢りさ 河出書房新社 ★★☆
    現役女子高生が書いた、ウワサの本。作者と主人公がだぶってしまい、まるでドラマを見ているようだ。ウン、面白い。('02.1.20)
「アメリカ素描」 司馬遼太郎 新潮文庫 ★★
    文明は、「たれもが参加できる普遍的なもの・機能的なもの・合理的なもの」をさすのに対し、文化はむしろ不合理なものであり、特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので、他に及ぼしがたい。それはそうだろうけど、「いまの地球上にはアメリカ以外にそういうモノやコト、もしくは思想を生みつづける地域はなさそう」なのかなぁ?

    私はアメリカが嫌いだけど、そういう政治的なことはさておいて、なるほどアメリカは「さまざまな人種が、オデンのようにそれぞれ固有の味と形を残したまま一ツ鍋の中に入っている」から面白いのだろう。少うし、この人工国家の正体を探ってみようかナという気になってきた。('02.1.19)

「ひろさちやの般若心経88講」 ひろさちや 新潮文庫 ★★
    パンニャーパーラミター。智慧で、彼岸に渡れ。
    色即是空。すべて、事物は「空」である。
    こだわるな。こだわるな。こだわるな、ということにもこだわるな‥‥。

    こういう心境に達すれば、きっと心に平安が訪れるのだろう。まったく、どこぞの国の大統領にでも煎じて飲ませてやりたいものだ。とはいえ、大乗仏教は競争というものを否定する(じゃなくて、こだわらない)。とすると、「努力」とか、「発展」とかいうものにも価値を見出さないのだろうか?('02.1.12)



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