読書日記 2010年

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「超」フランス語入門 西永良成 中公新書 ★★★★☆

フランスに行くにあたって、フランス語をざっと復習しておこうと思った。フランス語の知識がゼロの状態から本書を読んでもチンプンカンプンだろうが、一通り勉強して、全てを忘れ去った状態から思い出すためには良い本だ。

フランス語は、英語よりはずっと規則的とはいえ、綴りと発音の乖離が著しい。動詞の活用は悩みのタネだが、ほとんどの動詞では単数形の人称変化で(綴りは変わるのに)発音は変わらない。そのため、人称代名詞が省略されないので、語尾変化で人称を表すスペイン語やイタリア語よりもラクかもしれない。もっとも、リエゾンされると、無視されていた語尾の子音が亡霊のように蘇ってくるのが厄介だが。

第4章「シャンソンで身につけるフランス語」、第5章「諺・名句で心に残すフランス語」で急に難しくなる。と同時に、フランス語は美しいと思う。あらゆる言語について言えることだが、一つの言語の背後には、広大な宇宙が広がっているのだ。

Il est bien plus beau de savoir quelque chose de tout que de savoir tout d'une chose: cette universalité est la plus belle.
「あることについてすべてを知っているより、すべてについて何ごとかを知っているほうが、はるかにすばらしい。その普遍性こそがもっともすばらしいのだ」(パスカル)

(10/06/30読了)

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