読書日記 2014年

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ニッポン《南の島》大図鑑 加藤庸二 阪急コミュニケーションズ ★★★★★

日本の島の最高峰」というサイトを作ろうと思って、日本の島について調べているうち、この本に出会った。私は海よりも山派なのだが、この本のページをめくっているうちに、島そのものにすっかり魅せられてしまった。

小笠原諸島、南鹿児島の島々、トカラ列島、奄美群島、大東諸島、本島周辺の島々、宮古諸島、八重山諸島の114の島々が掲載されている。なんといっても素晴らしいのは、すべての有人島が網羅されていることだ。
しかも、全ページが美しいカラー写真で彩られ、それぞれの島の自然や民俗について、簡潔にして要を得た解説が添えられている。
離島を撮り続けて40年になる、著者の集大成。非常にクオリティが高く、どこから読んでも発見に満ちている。

日本は、山国であるとともに、島国でもある。それにしても、日本にまだこれほどの多様性が残されていたとは驚きである。
離島は、外界から隔絶されてきたからこそ、固有の文化をはぐくんできた。だが、人口減少と高齢化の波を一番かぶるのは、離島かもしれない。多くの島ではすでに人口が100人を下回っていて、コミュニティーを維持するのが難しくなってきている。
あと50年もすれば、日本は無人島だらけになってしまうかもしれない。かけがえのない文化を守るために、何ができるか・・・そんなことについても考えさせられる1冊だ。(14/02/03読了 16/12/12更新)

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