読書日記 2015年

Home > 読書日記 > 2015年

週末ソウルでちょっとほっこり 下川裕治 朝日文庫 ★★★☆☆

韓国を旅しながら、この本を読んだ。韓国、特にソウルは、旅行先としてはもはやメジャーすぎて、バックパッカーがディープに旅をするのは難しい。ソウルについて、今さら何を語ることがあるだろう。

そんな中、著者は旅行作家としての意地を見せるべく、観光地でないソウルを求めて歩き回る。Kポップに群がる日本人の生態を観察し、韓国中華料理の代表であるチャジャンミョン 짜장면(ジャージャー麺)を求めて仁川に赴き、景福宮の背後に聳える北岳山の城壁を歩いて脱腸になる。
しかし、「韓国って女性向きの国だと思うんですけど」とあるように、くたびれたオッサンがいくらソウルの町を徘徊してみたところで、哀愁しか漂ってこないのだった。

「果たしてソウルは外国の街なのか、というところから迷いがある」──。そう、ソウルの街を歩いていても、ちっとも「外国感」が漂ってこないのだ。もちろん、目に入ってくる文字は違うのだけど。
ところで、著者はたびたびハングルが読めないことを言及しているが、年に7、8回もソウルに行くのなら、なんで少しくらいは勉強してみようと思わないのだろうか。(15/09/06読了 15/09/21更新)

前へ   読書日記 2015年   次へ

Copyright 2015 Yoshihito Niimura All Rights Reserved.