誰も行かない場所に行く 限界旅ギリ生還記 ★★★☆☆ 指笛奏者 わたしの旅ブックス
これぞ「クレイジージャーニー」、大学当局から渡航中止勧告が出るのも頷ける。
悔しいけど面白い。ただ、紀行文としての文学の香りはない。
北キプロス、ギアナ三国、アトス山あたりは参考になった(もっとも、アトス山は村上春樹が『雨天炎天』で書いているけれど)。
実は、外務省の危険レベル4(退避勧告)となっている紛争地帯(とされているところ)は、ある程度危険が予測できるので、ツアーに参加すれば行けないことはない。シリア、イラク、レバノン、イエメン、アフガニスタン、北朝鮮といった国々だ。
本当に怖いのは、中南米やアフリカの一部のように、銃が蔓延していていつ襲われるかわからないところなのだ。
いかにも令和の若者という感じだが、迷惑系YouTuberのように、SNSでウケるどうかが行動原理になりかねないことを危惧する。
著者は体力モンスターのようなので、ぜひとも8000m峰14座完登のような高尚な目標を追求してもらいたい。(25/06/14読了 25/07/01更新)